アクティベーション体幹学生向け練習前シリーズ肩・肩甲帯

Leg Kick Through:体幹安定性と全身連動性を高める動的トレーニングの効果と実践法

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Leg Kick Through(レッグキックスルー)

Leg Kick Through は、動的な体幹トレーニングの一種で、主に体幹の安定性、バランス、そして下半身と上半身の連動性を鍛えるエクササイズです。四つん這いから始め、片脚をキック動作で体の横へ伸ばす動きが特徴です。


1. ターゲットの筋肉

主動筋(動きに直接関与する筋肉):

  • 体幹筋群
    • 腹斜筋
    • 腹直筋
    • 横隔膜
    • 多裂筋
    • 体幹をひねる動作と安定性に関与します。
  • 臀筋群
    • 大臀筋(特に脚を伸ばす動作で作用)
    • 中臀筋(バランス保持と骨盤の安定)
  • ハムストリングス
    脚を伸ばす際に負荷がかかる。
  • 肩甲骨周囲筋
    動作中の肩関節の安定性を保つ。

補助筋(サポートとして働く筋肉):

  • 三角筋(肩の筋肉)
    • 手で体重を支える動作中に働く。
  • 胸筋
    • 上半身の安定に寄与。
  • 股関節内転筋・外転筋
    • 骨盤の安定性と脚の動きを助ける。

2. 得られる効果

  • 体幹の安定性向上
    腹斜筋を鍛えることで、体幹が安定し、姿勢や動作が安定する。
  • 柔軟性とモビリティの向上
    股関節や肩関節の可動域が広がり、しなやかでスムーズな動きが可能に。
  • 全身の連動性強化
    上半身と下半身を同時に動かすことで、全身の協調性が向上。
  • 俊敏性とリズム感の向上
    動きのスピードやリズムを意識することで、素早い動作が鍛えられる。
  • 心肺機能の向上
    高強度で行うと有酸素運動の効果が得られ、持久力もアップ。

3. 野球にどう活きるか?

スイング動作の強化

  • 腹斜筋や体幹の安定性を高めることで、バットスイングの回旋力が向上します。
  • また、脚のキック動作はスイング時の下半身と上半身の連動性を高めます。

送球やピッチングの向上

  • 体幹の回旋動作と安定性を鍛えることで、投球や送球の正確さとスピードがアップ。

守備の動きに役立つ

  • 横方向への脚のキック動作が、守備時の素早いサイドステップや横方向の動きの反応力を高める。

怪我予防

  • 股関節や体幹の安定性を高めることで、試合中の無理な体勢や反応時の負荷を軽減し、怪我を予防。

パフォーマンス全般の向上

  • 動きのスピードと柔軟性が向上することで、全体的な競技パフォーマンスが向上します。

Leg Kick Through は動的なトレーニングとして、野球のような爆発的な動きが求められる競技で特に有効です。体幹と下半身の連動を意識しながら行うことで、競技特有の動作に直結する効果が得られます。

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トレーナー向け

Leg Kick Through において、アナトミートレイン(Anatomy Trains)の観点から活性化される主な筋膜ラインは以下の通りです:


1. 浅層フロントライン(Superficial Front Line, SFL)

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  • 活性化のポイント:
    • 脚を伸ばす動作や体幹の安定を保つ際に、下肢から体幹にかけて働きます。特に、大腿四頭筋(膝を伸ばす)や腹直筋(体幹を安定させる)が強調されます。
  • 役割: 股関節の伸展・屈曲をコントロールし、体の前方の筋膜全体がバランスを保つ。

2. 浅層バックライン(Superficial Back Line, SBL)

  • 活性化のポイント:
    • 脚を伸ばす際や、体を安定させるためにハムストリングスや臀筋、大腰筋が関与します。
    • 背面の筋膜ラインは体を支える基盤として機能し、柔軟性と安定性の両方を提供します。
  • 役割: 特に片足で支持する場面で、全身の後面の連動性をサポート。

3. ラテラルライン(Lateral Line, LL)

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  • 活性化のポイント:
    • 片手片足を持ち上げた状態でのバランスを保つために、外腹斜筋、中臀筋、腓骨筋群が関与。
    • キック動作では、体側の筋膜が連動して動作を安定化します。
  • 役割: 側面の安定性とバランスを確保し、捻る動作をスムーズに行う。

4. スパイラルライン(Spiral Line, SL)

  • 活性化のポイント:
    • 体幹をひねる動作(回旋)を行う際に重要で、腹斜筋、腰方形筋、広背筋が関与。
    • キック動作では、反対側の肩と脚が連動して動き、スパイラルラインが統合的に活性化されます。
  • 役割: 回旋や側屈の動作をスムーズにし、体幹と四肢の連動性を高める。

5. ファンクショナルライン(Functional Lines)

ファンクショナルフロントライン
  • フロントファンクショナルライン(FFL):
    キック動作の際に、対角線上の動き(例えば、右脚と左手)が協調して働きます。
バックファンクショナルライン
  • バックファンクショナルライン(BFL):
    体を安定させつつ回旋動作を行う際に、広背筋と臀筋が連動して動作をサポート。

Leg Kick Throughのアナトミートレイン的総括

このエクササイズは、スパイラルラインラテラルラインが特に強調され、これに加えてバックラインフロントラインも連動して活性化されます。野球や他のスポーツで求められる体幹の回旋力側方の安定性全身の統合的な連動性を鍛えるのに最適なエクササイズです。

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