野球の投手は、大きく分けて
- オーバースロー
- スリークォーター
- サイドスロー
の投げ方に分類されますが、これらは対側体幹傾斜によって投げる位置が変わります。ここでは、対側体幹傾斜が肩と肘の負傷リスクに繋がる投球メカニクスにどのように影響するかを調べます!
方法
合計で 215 人のプロ投手が参加。彼をを対側体幹傾斜の角度別に3つのグループに分けて比較していきます。
- オーバースロー(30°-40°対側体幹傾斜):46人
- スリークオーター(15-25°対側体幹傾斜):126人
- サイドスロー(0-10°対側体幹傾斜):43人
結果
力とトルクの最大値比較
※スリークォーター投手は、サイドスローとオーバースローの投手と比べて最大肩前方力と最大肘近位力が有意に大きかった。
サイドスロー ≒ オーバースロー < スリークオーター
※スリークォーターの投手は、オーバースローの投手と比べて、最大肘屈曲トルクと肩近位力が有意に大きかった。
オーバースロー < スリークオーター
コッキングフェーズ時
最大骨盤角速度
スリークオーター ≒ オーバースロー < サイドスロー
最大上体幹角速度
サイドスロー ≒ オーバースロー < スリークオーター
ボールリリース時
体幹前傾
サイドスロー < スリークオーター < オーバースロー
アームスロット角度
オーバースロー < スリークオーター < サイドスロー
まとめ
肩肘にかかる力とトルクはスリークオーターグループが一番大きかった。
スリークオーターがオーバースローやサイドスローと比べて、肩肘の損傷リスクが高いかどうかの研究は更に必要だが、過度の肘と肩の力とトルクが肘と肩の負傷と相関関係にあることが示されているので、損傷リスクが高い可能性が十分にあります。
参照
Escamilla, Rafael F., Jonathan S. Slowik, and Glenn S. Fleisig. “Effects of contralateral trunk tilt on shoulder and elbow injury risk and pitching biomechanics in professional baseball pitchers.” The American journal of sports medicine 51.4 (2023): 935-941.